杉山歯科医院

インプラント

インプラントとはなんですか?

インプラント治療とは、失ってしまった自分の歯の替わりに、人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を作製して噛み合わせを回復する治療法です。

固定性であるためガタついたりせず、自分の歯のように噛めるようになります。
インプラント治療を行うことで、治療後の噛む機能が正しく改善されます。

慣れるまでは多少違和感を感じることもありますが、その期間を過ぎれば、自然の歯に匹敵する機能が得られます。
人が物を噛むときの力は、想像以上に大きいものです。

でも、丈夫なインプラント(人工歯根)なら、天然歯の歯根と同様に機能します。
また歯冠の色や形も、最新の歯科技術によって、自分の歯と同じように作ることが可能です。

ブリッジや入れ歯と比べて

インプラント、ブリッジ、入れ歯
[ 長所 ]
ブリッジの場合、土台となる両隣の歯を削って作製しますが、削ったら二度と元に戻らないエナメル質や象牙質を犠牲にしなければなりません。
また、土台となる歯に負担がかかり、寿命を早めてしまう危険性があります。

スウェーデンのデータではブリッジの寿命は平均7年であるとの報告があり、長期的に安定した状態を保つことは容易ではありません。
インプラントは残っている自分の歯を削りませんので、歯に優しい治療であり、自分の歯を長く保つことができます。

また、入れ歯の場合も針金をかける歯に負担をかける上、装着時の違和感が強く、インプラントに比べると、食べ物の美味しさを感じにくくなります。
また、入れ歯で噛んでいると、入れ歯の下の歯茎がやせていき、その結果噛み合わせが低くなる傾向があります。
インプラントにはそういった問題は起こりません。

[ 短所 ]
インプラントは埋め込むための手術を行うため、全身的に健康であることが必要です。
手術そのものが適さない時期に行うことはできません。

また糖尿病などの持病がある場合感染に対するリスクが高いので、術前に血糖値を測定することが必須です。
また、保険適応ではないので、ブリッジや入れ歯よりも高額な治療費がかかります。

インプラントの治療方法

インプラントが生体に受け入れられるためには、術中感染しないように十分管理する必要があります。
手術直前にもしっかりと口の中をクリーニングし、滅菌された器具を用いて、感染が起こらないよう配慮します。

現在のインプラントのシステムは確立されており、同じメーカーが骨を削るドリルと埋め込むインプラントのサイズを理想的に作っているので、術式通りに行えば生体と適合します。
現在は上あごなら4ヶ月、下あごなら2ヶ月程度の治癒期間で骨と完全に適合するインプラントが一般的です。

条件によって違うのですが、手術はインプラントを埋め込む手術と歯ぐきを貫通させるための手術と2回行う場合が多く、その2回目の手術を行うタイミングがそれぞれ4ヵ月後、2ヵ月後ということになります。
歯ぐきを貫通させる手術が終わり、土台の部分が歯ぐきと調和したら、仮歯を装着して、かみ合わせのリハビリテーションをおこないます。

その後専用のツールを使ってインプラントの型を採り、上モノを作製してインプラントと結合させます。
インプラント埋入手術の手順

インプラントの注意点

まず術前の診査が大切です。

インプラントを埋めることが可能な骨の状態にあるかどうかをCTを含めたレントゲンで診査します。
上の奥歯にインプラントを埋める場合上顎洞という空洞があり、骨が足りない場合特殊な手術法が必要となります。

また、下の奥歯にインプラントを埋める場合、下顎管という太い神経や血管が入っている管があり、そこを傷つけると術後に神経麻痺を起こす可能性があります。
いずれの場合も術前に画像を用いて歯科医師からの説明があります。

また、インプラントに歯周病菌群が付着すれば、歯周病と同様にインプラント周囲炎という疾患を生み出します。
インプラントを埋める前に、しっかりと歯周病の治療を行わなければなりません。

手術も無事終了し、人工の歯も装着し、自分の歯と同じように噛めるようになったら、必ず定期検診を行います。
入れたインプラントの部分はもちろんのこと、周囲の自分の歯を清潔に保つことが必須です。

歯周病の診査を定期的におこない、細菌感染が起こっていないかを診査します。
また定期的にレントゲンを撮影し、健康状態が維持されているかを確認します。

さらに、インプラントはまったく動きませんが、天然の歯は歯根膜というサスペンションのような機構があるため、自分の歯とインプラントが混在している場合には定期検診のたびにかみ合わせの診査を行います。